2010年の11月末に、βテストの『ラブひな』を無料公開して始まったJコミ。
いや〜、懐かしいですねぇ。(笑)
さて今年、2011年はJコミにとってどんな年だったのか。主にシステム的な面から、簡単に振り返ってみましょう。
【 1月〜2月 】
続いてβ2テストとして、『放課後ウェディング』・『交通事故鑑定人 環倫一郎』・『ベルモンド』という3作品を無料公開。
当時は、PDFに「永遠に掲載される広告」を掲載し、無料配布でしかもコピーフリーという、画期的なスタイルでした。*1
もちろん、PCのブラウザでも「コミックビューワーV2」を使って閲覧が可能だったんですよね。
【 3月 】
新型コミックビュワーV3「アルヌール」が開発され、いよいよJコミも正式公開する予定でしたが、震災の影響でしばらく延期に。(><)
【 4月 】
4月12日、ようやくJコミが正式公開!
同時に「違法絶版マンガファイル浄化計画」というプロジェクトを発表し、大きな話題になりました。
ここから7月31日までが、新型コミックビュワーV3「アルヌール」の稼働期間です。
アルヌールには、
- 1ページごとに、読者がコメントを付けられる。
- セリフ入力が可能で、それを世界50カ国語に自動翻訳できる。
- さらにセリフ検索や音声読み上げも出来る。
- 全ページのセリフ&タグ&コメントの単語を参照し、それに合った広告が下部に出る。しかも海外対応。
など、マンガの読み方を根底からくつがえす新アイデアがいくつも導入されておりました。
しかし、毎ページに広告があったため、表示速度は遅め。コメント機能も漫画ではそれほど需要が無く、またグーグルといえども広告のバリエーションはそれほど多くなかったため、広告のアドセンス的機能も十分に発揮できませんでした。orz
【 5月〜7月 】
掲載希望作品が続々増えて、がんばって一ヶ月間休まず毎日掲載したこともありましたね。まさに嬉しい悲鳴!(^^;)
【 8月 】
次期コミックビュワーV4「ムラサメ」の稼働開始。
ムラサメでは、
- 60ページごとに広告が入る形に変更。60ページの先読みキャッシュにより、表示速度は大幅にアップ。
- 読者が作品データなどを記載できるようになった。
- アマゾンのAPIを利用して、「絶版書を読んだ後、その作者の最新刊を買えるページ」を自動作成できる。
など、主に実用性を重視した作りになりました。もちろん、セリフの自動翻訳機能なども続けて実装されております。
【 9月 】
掲載作品は順調に増えて、とうとう100作品を突破!
【 10月 】
成人向けの漫画を掲載する、有料制(105円)のJコミ・プレミアムを開始。
- 絶版になった成人向けマンガを読み放題で、広告収益も100%作者先生に行く。
- 無料版Jコミの方の作品を、より高画質で読める。
初めてのクレジットカードをつかったシステムということでかなり緊張しましたが、実際にはクレカ専門の大企業に管理を委託しているため、それほど難しくない感じでした(^^;)。Jコミ側にはカードの個人情報は一切保存されていないため、セキュリティ的にもバッチリです。
【 11月 】
ところで、PDF版を欲しがっているのは、主に電車内や寝室で読みたいスマホのユーザーだと考えられます。
それならば、「セーブできない汎用PDFビュワー」アプリさえ用意すれば、著作権を守りつつ、JコミからPDFをダウンロードして読みまくれるのではないかと思い付きました。この方式ならば(汎用PDFビュワーでユーザが何を読もうと勝手なので)アップルの検閲も回避できるかもしれません。しかもアリモノのPDFビュワーを流用させてもらえば、開発期間は非常に短く済みます。
【 12月 】
私の理論通り、アップルのアプリ審査は無事通過。Jコミ閲覧用のiOSアプリ「J Reader」をリリースしました!
(念のため、Jコミ・プレミアムのブックマークは外してアクセスも不可にしておきましたが、理論上は閲覧可能です。)
- Jコミの専用サイトから、全収録作品のPDFファイルをダウンロードすることができる。アップル検閲無しなので、エロや暴力、差別用語など原作そのままで変更せずに収録。
- 漫画を一旦ダウンロードしたら、オフライン状態でもいつでも読むことが出来ます。
- 広告をクリックすると、作者先生に収益が行く。Jコミの取り分は0%。
- これらのPDFファイルは、著作権上、外部に保存したり移動したりすることはできません。
さて、いかがでしたでしょうか。Jコミの閲覧システムもなかなか紆余曲折がありましたね。(笑)
現在は、ビュワー閲覧数 7,179,195。ダウンロード数 4,532,489。総タイトル数は 156作品で、総巻数にすると 567冊。総ページ数では 109,190pとなっております。
正式公開からまだ9ヶ月も経っておりませんが、皆様のご支援により、なかなかの規模になってまいりました。ありがとうございます!
次の記事では、「2012年のJコミを大予想!」と題して、様々な計画を発表していきます。(^^)
*1:しかし、この形式には欠点が・・・。http://d.hatena.ne.jp/KenAkamatsu/20110902/p1