(株)Jコミックテラスの中の人

マンガ図書館Zに関する実験や報告をするブログです。

【C-Tube第二次テスト】縦横比をスマホに最適化。セリフが多いページは長く見せ、少ないページは素早くめくる、100カ国語自動翻訳の動画化マンガ「C-Tube(仮)」サービス

 先日は、新サービス「C-Tube(仮)」の第一次テストにご参加いただき、ありがとうございました。
寄せられた改善点を取り入れ、すぐ第二次テストを行います。

「C-Tube(仮)」の意義や理論はこちらです。↓

基本的には、

  • マンガzipを全自動でYouTubeの動画に変換し、セリフも自動抽出&自動翻訳して下部に字幕表示し、海外でもどんどん読んでもらおう

というサービスになります。
マンガ図書館Zの全Zオフィシャル作品で利用できる予定です。

 

第二次テストの全動画リストは、以下のリンクになります。

C-Tube第二次テスト - YouTube

 

【改善点1: 縦横比がスマホに最適化された】

iPhoneAndroidで、紙のコミックスのような「縦長の画面」で読むことができます。

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PCのChromeブラウザでも、正方形に近い広い画面です! 

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【改善点2:セリフの長さでページめくり速度が変わる】

今回から、ページめくりの速度が可変になりました。(前回は全ページ12秒固定)
ページ内の個々のセリフ自体も、表示秒数が可変になっています。
アルゴリズムは以下の通り。

  • 表紙などのイントロ部分は「ページめくり1.5秒」で固定。
    (=冒頭で退屈させない)
  • 1秒で16文字は読めると仮定して、1セリフの秒数を決定。
    (=長いセリフは長く見せ、短いセリフはすぐ次のセリフに移る)
  • 0.8秒未満のセリフでも、最低0.8秒は確保。
  • 1ページのセリフ合計秒数が2.5秒未満、もしくはセリフのない頁は、「ページめくり2.5秒」で固定。
    (=セリフが無い場合、それが「印象的な決め絵シーン」なのか「穴埋め白ページ」なのか区別がつかないが、2.5秒なら白ページでも耐えられるし、印象的なシーンなら十分堪能できる秒数)

  

【改善点3:BGMは動画ファイルに内蔵】

YouTubeのオーディオライブラリ(無料)は、なぜか繰り返し再生ができず、一曲終わったら無音になってしまうので、動画作成時からファイルにBGMを内蔵させることにしました。いずれは、作者が好きな曲を選べるようにしたい考えです。*1

 

・・・さて、第二次テストでは、新作を3つ用意しました。

  1. 『コンプレックス』(全6巻に再構成)by まんだ林檎先生
  2. 『恋する僕らの経験値』by 陣内みるく先生
  3. 『いつだってMyサンタ』 by 赤松健 

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第一次テストで公開した3作品も、動画を新たに作り直しました。*2 

  1. 『恋コロリン♪』 by 和田繭子先生
  2. 『お手柔らかに花吹くん』 by 乙吉先生
  3. 『君が本当に好きでした』 by 乙吉先生

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これで、いよいよ実用段階に入ったと思うので、ぜひ閲覧してみて使い勝手を教えて下さい! 今回から、英語での宣伝ツイートも行っていきます。

 

第二次テストの全動画リストは、以下のリンクです。

C-Tube第二次テスト - YouTube

 


最後に、次期バージョンC-Tubeの予告もしておきましょう。

何とマンガのセリフを自動翻訳して音声読み上げを行います!(※まだ試作段階です)
サンプル動画では「日本語→英語→ドイツ語→韓国語」の順で音声読み上げしています。

 マンガ読み上げの利点は、

  • 「ながら読書」ができる(仕事しながら読書などw)
  • 目の不自由な方でもマンガが読める

などですね。需要は大きいと思います。

難点は、

  • セリフ内容からは男女の区別が付かないため、フルオートなら全て同じ声にせざるを得ない

ことでしょうか。

 

【既知の問題】

たまに何故か海外字幕が自動生成され、「字幕(2) → 自動生成(英語)」という欄ができてしまう。これを選ぶと、BGMの音楽が自動翻訳されて「[Music]」という字幕が出る。(笑)

正しく「字幕→自動翻訳→英語」を押してもらえば問題は無いが、この自動生成字幕を禁止するスイッチがあればなぁと思います。教えて詳しい人!

*1:何と曲の使用料は、YouTube側がJASRACなどに包括契約で払ってくれるという・・・(笑)

*2:ラブひな」は長過ぎるので下げました。

【新サービスの実験】マンガを全自動でYouTubeの動画に変換し、セリフも100カ国語に自動翻訳して、海外でもどんどん読んでもらおう!

マンガ図書館Zで2019年から公開する新サービスの、公開実験を行います。

これはタイトル通り、

  • マンガzipを全自動でYouTubeの動画に変換し、セリフも自動抽出&自動翻訳して下部に字幕表示し、海外でもどんどん読んでもらおう

というもので、今のところ日本で唯一「セリフ自動抽出機能」を標準装備しているマンガ図書館Zだけが提供可能なサービスかと思います。

 

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・・・ところで皆さんご存じかもしれませんが、YouTubeには違法な「動画化マンガ」が結構アップロードされています。

※ 違法な動画化マンガの一例:「バキ21巻」  *1

先日、とうとう逮捕者も出ましたが、今でも多くの動画化マンガがYouTubeにアップロードされ続けていますね。中でもBL(ボーイスラブ)漫画の閲覧数は非常に多いようです。これは恐らく、儲かるか、もしくは反響が大きくて面白いのでしょう。

 

じゃあこれを公式が合法的にやってみよう!・・・というのが発想の原点です。

 

基本は、YouTubeから広告収益をもらって、作者とシェアするビジネスになります。

  • 対象は、マンガ図書館Zに収録されている全てのZオフィシャル作品
  • 海外から見ると、セリフ字幕がその国の母国語に自動翻訳されている。
  • 海外から見ると、その国の広告が自動で表示される*2
  • OCRミスや誤訳を見つけたら、第三者が字幕を修正できる*3
  • BGM入り*4

要するに、マンガ図書館Zだけでは閲覧数や広告収益額にも限界があるので、YouTubeに乗っかって全世界で広告収益を上げていこうというわけですね。*5

 

この新サービスを、仮に「C-Tube」と呼称します。
作者から見た「C-Tube」の利用方法は、以下のようになる予定です。

  1. 作者がマイページから「C-Tubeボタン」を押すだけで自動的に動画化マンガに変換される。(全自動)
  2. その際、セリフを文字列化したテキストファイルも、ページ送り速度に合わせた字幕ファイルとして変換される。(全自動)
  3. 動画ファイルと字幕ファイルを、YouTubeにアップロードする。(今は手動(^^;))
  4. 内容に合ったBGMを選ぶ。(できれば作者に選ばせたい)
  5. 全世界に公開。字幕ボタンを押すと、世界100カ国語に翻訳してマンガが読める。

 

このサービスに関して、年末年始にかけて「第一次テスト」を行います。

第一次テストは、以下の4作品(計17冊)で行います。

★ 赤松健『ラブひな』全14巻(少年系)

★ 和田繭子『恋コロリン♪』(BL系)

★ 乙吉『君が本当に好きでした』(BL系)

★ 乙吉『お手柔らかに花吹くん』(BL系)
(※スマホの場合、ブラウザよりもYouTubeアプリでの閲覧を推奨します)

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YouTubeに多々あがっている違法動画を分析した結果、「第一次テスト」の仕様は以下のようにしてみました。

  • 1ページ12秒間隔。コミックスが1巻190ページとすると、12x190÷60=38分の動画になる。
  • 共通のオープニングとエンディング(2~3秒程度)を作り、そこで「公式」や「字幕入り」をアピールする。
  • YouTubeのオーディオライブラリはなぜか繰り返し再生できないので、数少ない20分超えのものをBGMに選ぶ。
  • 広告はまだ入れられない。チャンネル登録が1000人超えないとダメ。 

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今回、この実験を「新たな収益源として面白い。きっと作者も喜ぶ。」と思って下さる方々に、赤松から協力を求めます。

・有志でチャンネル登録してほしい(まずは1000人を目標で。これ以下だと広告実験に入れないので。)
スマホYouTubeアプリやPCなどで閲覧実験してほしい。
・ページめくりの速度はどう? 速い? 遅い?
・セリフの修正実験(文字列の修正ができるかどうか。翻訳した文字列は修正可能?)
・各国語での閲覧実験(海外から見たらどうなる?)

 

ぜひ、ご意見をお聞かせ下さい。

第一次テストの全動画リストは、以下のリンクになります。

★ マンガ図書館Z - YouTube

 

【注意】

・セリフの字幕を出すには、YouTubeの「字幕」ボタンを押して下さい。

f:id:KenAkamatsu:20181230224605j:plain←PCならこんなボタンです。

f:id:KenAkamatsu:20181231002758j:plainスマホのアプリなら左の3点マークを押すと字幕マークが出ます。

・外国語に翻訳する場合は、字幕ボタンの右隣にある「設定(歯車の形)」ボタンから、「字幕(1)」→「自動翻訳」→「英語」などを選んで下さい。
(ただし、スマホのアプリでは母国語以外は選べないようです。)

・動画の画質が荒くてマンガが読みにくい場合は、YouTubeの「設定(歯車の形)」ボタンを押して、「画質」から「720p(HD)」か「1080p(HD)」を押して下さい。

ページ送りが速すぎて字幕が読めないという場合は、適宜スペースキーで止めるか、YouTubeの「設定」を押して、「速度」から「0.5」倍速あたりを選んで下さい。

  

赤松健『ラブひな』全14巻(少年系)

和田繭子『恋コロリン♪』(BL系)

乙吉『君が本当に好きでした』(BL系)

 乙吉『お手柔らかに花吹くん』(BL系)

 

【よくある質問】

★アマチュア投稿作品は、C-Tube対象になりますか?
今のところサポート外の予定ですが、要望が多ければ考えます。

スマホですが、字幕が出ません。
スマホのブラウザではなく、YouTubeの公式アプリで見てみて下さい。そして、3点マークのメニューから字幕を選んで下さい。

★もっとゆっくりセリフを読みたいです。
動画の作成時に、「セリフが多い作品はページ間隔を長く」といった調整ができるので、今後それで対応してみたいと思います。

*1:今のところ秋田書店は削除やブロック(視聴不可にする)処理をしていませんが、当然マークはしていると思います。既に「トラッキング(再生数などを記録しておく)」か「マネタイズ(広告収益を受け取る)」をしている可能性もありますね。

*2:YouTubeの機能ですがww

*3:※管理者がOKしないと反映されません

*4:YouTubeのオーティオライブラリを使用

*5:例えば講談社が出している海外版マンガは、収益を講談社と作者で折半しているので、マンガ図書館Zも同じく折半を予定しています。

実証実験その1「第三者アップロード開始から一ヶ月:どんな作品がUPされ、何が許諾されたか!?」

 

先月の記事、実証実験その1「出版社と組んで、海賊版の投稿システムを合法化しよう」から一ヶ月が経ちました。 

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これは、いわば

  • 読者(第三者)が、好きな作家や出版社に貢献しつつ、好きな本を無料公開できて、さらに自分も稼ぐことができる

・・という夢のシステムです。

この間、第三者からのアップロード数は 81作品97冊にのぼりました。ありがとうございます!

早速、アップロードされた作品群について、実業之日本社さまが作者に連絡を取って下さいました。

高齢の作家さんもおられるということで、連絡はメールや電話ではなく、何と封書で行っております。(そのため少々時間がかかっています)

 

そして、早くも「無料公開OK」の回答を下さったのが、以下の作家さんです。

 

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1992年11月に実業之日本社から初版発行。スキャン原版は第7刷。

「なぜネコは、あんな棚の上の箱に入りたがるのか」、「なぜネコは新聞を広げると乗りにくるのか」など、猫を飼っている人ならとても気になる楽しいエッセイ集。

作者の沼田先生は、動物をテーマにした作品を数多く発表しており、まだ電子化されていない他社の作品も、電子化のご許諾を頂けそうです。(^^)

 

 

 

f:id:KenAkamatsu:20180804233952j:plain成人向けマンガも許諾が出ました!

フライデイ先生は、清潔感のある描線と肉感的な女の子で人気の作家さんです。

今回第三者アップロードされたのは、「comicCanDoll誌」に掲載された10本をまとめて、2007年に実業之日本社から発行された『switch girls』。
震災のあった北海道にお住まいということで、書面での契約が遅れておりますが、既にメールで許諾は頂いております。

掲載はマンガ図書館ZのR18コーナーの予定です。

 

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うわ~っ、これは凄い!!

官能小説界の大家・赤松光夫先生から、書面で電子化のご許諾をいただきました!

赤松光夫先生は今年87歳になられます。今回の実証実験に対して、早々に無料公開の許諾連絡を送って下さったことに、感謝と尊敬の念を抱かざるをえません。 

内容は、表紙に「ゴルフ・エロチカ」とあるように、ゴルフ関連のエロチカ短編小説を12本まとめた単行本です。初出誌はいずれも「週刊小説」。1995年に実業之日本社から発行されました。

官能系でもあっても、文芸はR18ではなく一般に掲載してみます。
 

 

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 集英社など各誌でご活躍し、マンガスクールの講師もされている田中つかさ先生からご許諾をいただきました!

週刊漫画サンデーに平成22年7月号から連載された、『おいしいパンを召しあがれ!』です。

よくあるグルメ漫画ではありませんよ。小麦・酵母・下火などパンの解説に加えて、パン屋(会社)開店における書類や検査や資金繰りなど、興味深いネタが満載です。出てくるパンも美味しそう!

原案の大和田聡子先生からのご許諾も、もちろん頂いております。

 

 

・・・以上の許諾作品については、いずれもアップロード者に10%の広告収益が行きます。作家先生方は(電子化されていない作品ばかりですので)当然喜ばれており、しかも読者は無料で読めて、実業之日本社も手数料と各種データが手に入り、まさにWIN-WIN-WIN-WINですね!

 

また他には、パブリックドメイン(著作権切れ)の作品も20冊アップロードされてきましたので、すぐ無料公開しました。いずれも初期の実業之日本社から発行された書籍だと思われますが、その内容は難解で、いかにも貴重っぽい感じですね。 

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これらは何の本なのでしょうか?! 教えて詳しい人!(^^;)

 

最後に、お詫びです。

  • 今回の「実証実験の対象作品リスト」 にちゃんと載っていたのに、既に他社で電子化されている等の事実が後から判明したため、アップロードZIPが削除となった作品

が何作かありました。(赤川次郎先生の作品など)

そこで、アップロード者に対するお詫び&感謝のしるしとして「500円QUOカード」を実業之日本社さまから頂きましたので、赤松健のサイン入りグッズ(笑)も同封してプレゼントしたいと思っています。

削除になった作品のアップロード者には、これからメール連絡しますので、しばらくお待ち下さいませ。

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 (※写真の赤松グッズはイメージです。QUOカードは実物です。)

 

(補足記事) 現行作品は「公式リンクサイト」化で対応


【現行作品は「公式リンクサイト」化で対応】


現行作品の場合は、漫画村のように

を作り出すことが重要です。
例えば、電子版のジャンプは現在「ジャンプBOOKストア!」でしか購入できないようですが、電子版のマガジン・サンデー・チャンピオンは、BookLive!など各電子ストアで購入できます。それらへすぐ到達できるように、あらゆる雑誌の公式リンク&表紙を自動で一カ所に貼りつけていくわけです。
すると、こういったイメージになります。


この機能を実現するために、主要な電子書籍ストアの販売物タイトルを全自動でクロールし、サイト横断・アプリ横断の「公式リンクサイト」として日夜更新されるシステムを実験中です。*1
これにより、全出版社横断で、あらゆる現行電子書籍を「購入」できる環境を自動的に作り出します。(※本文は有料)
雑誌だけでなく『ワンピース』や『進撃の巨人』などの単行本も、出版社の枠を超えて普通に隣に並んでいることも大切ですね。ただマンガ図書館Zの中に「有料」と「無料」が混在すると不便なので、リンクサイトの方は別サイトにする手もあるでしょう。

*1:このアイデアは、漫画ビレッジというサイトに一部先を越されてしまいました(^^;)。

実証実験その1「出版社と組んで、海賊版の投稿システムを合法化しよう」

2018年4月18日、NHK「クローズアップ現代+」に出演してきました。
テーマは当時話題の漫画村海賊版サイト)で、直後のツイートがこれです。


上記の「出版社と作者が共同で漫画村(のような仕組み)を作り、ただし収益は作者と出版社に正しく分配する」システムについて、これから解説いたします。
これこそは「究極の電子書籍サイト」に近いと感じます。


漫画村事件で分かった3つのポイント 】


現在漫画村はアクセス不能になっていますが、「漫画村が潰れてホントに良かった!」だけで終わらず、もう一歩先に進むべきでしょう。


・・・こういう都市伝説をご存じでしょうか。

  • 「最近の幼稚園児や小学生は、マンガの読み方が全くわからない子がドンドン増えている」

というものです。どのコマから読み始めてどっちに読み進めていくのかが分からないので、マンガなんかいずれ滅びるよ、というのです。
しかし驚いたことに、漫画村があのインスタグラムのアクセス数に匹敵するくらい膨大に読まれました。小学生も社会人も、みんな驚くほど読むわ読むわ。
使いやすく、しかも全出版社横断で、更に無料のサイトなら、みんなまだまだマンガを読むんだということが分かったのです。
そこまで大量に読んでもらえるんだったら、ぜんぶ根こそぎ作者連合と出版社連合が受け継いでしまう手さえあった。まるまる漫画村の読者層をもらえば、すぐに世界最大の漫画サイトになります。さらに、海賊版サイトを支える概念「第三者による投稿」システムを稼働させ、サイトを常時更新&持続可能な状態にできないか、と私は考えました。

  1. 都市伝説「最近、漫画の読み方が分からない小学生が増えている」は、杞憂だった。
  2. 漫画は「他の娯楽と比べても」まだまだかなりの需要があることが分かった。
  3. 漫画村のユーザーは殆ど(96%)国内だった。
    (=翻訳されていないと海外では読まれない)


読者層や利用者数など「確かな需要」が見えたので、
それを適切にマネタイズ(収益事業化)できないか。


漫画村など海賊版サイトを支える概念「第三者による投稿」を、
出版社の協力を得て合法化してはどうか




【 「現行作品」と「絶版作品」に分けて考える 】


まず、漫画を「現行作品」と「絶版作品」に分けます。これは、既存の出版社に迷惑をかけないためです。

★「現行作品」の定義
今も出版社が取り扱っており、重版や電子化、メディアミックスなどの管理をしている作品のこと。
出版社が独占的な出版権や電子化権を持っているので、海賊版サイトに対して削除要請など独自に行うことができる。

★「絶版作品」の定義
作者と出版社で締結される「出版契約」が切れた作品のこと。
海賊版サイトに掲載されていても、出版社は特に守ってはくれない。作者自身が削除要請や訴訟などを行う必要がある。

上の「現行作品」については、本当は「全出版社横断の定額読み放題サービス」が最高なのですが、今はまだまだ実現できそうにありません。そこで、擬似的な手法で再現します。→ 別記事:【現行作品は「公式リンクサイト」化で対応】




【絶版作品は「第三者による投稿システム」で利益分配】


さて、ここからが本題です。絶版作品について、いよいよ「実証実験その1」を行ってみましょう。
まずは今回のパートナー、実業之日本社さまの登場です。

老舗の出版社「実業之日本社」の希望

  • 現在までに自社で発行した書籍の「全て」を電子化したい。(マンガ以外も)
  • ここ10年程の書籍なら大体電子化できているが、それより古い本は売れにくいし、今後も自社で電子化する予定は無い。
  • そもそも絶版の書籍が多く、そうなると電子化する権利が(今のところ)無い。
  • そこをゼロ投資で電子化し、しかも広告収益を得られるとなお良い。

まずは「電子化してみたい作品のリスト」を作成します。
今回は、ざっくり2000年以前の約9000作品を対象としました。かなりの数ですね。マンガだけではなく文芸作品が殆どです。すなわち、今回の実証実験では「文芸作品」も対象となっています。


「実証実験の対象作品リスト(実験スタート時)」をダウンロードする(1.7MB)


そして、次の図の流れで電子化の実証実験を行ってみましょう。

  1. まず、市民(作者でも出版社でもない第三者)が、上記リストから「自分の好きな絶版作品(みんなに読んでほしい漫画や小説)」を(布教も兼ねて)マンガ図書館Zの実証実験コーナーにアップロードします。これは海賊版サイトから落としたZIPファイルでも別にOKです。
  2. アップロードが成功すると、実業之日本社が自社の名簿を使って「作者に、電子化の意志を直接確認」します。
  3. 作者が「電子化OK」なら無料公開されます。「電子化NG」なら公開されません。
  4. 広告収益は1年の間、「作者:出版社:アップローダー」=「80%:10%:10%」の比率で分配されます。*1


このシステムはすなわち、
漫画や小説が書けない人であっても、作者や出版社に貢献しつつ、好きな本を無料公開できて、さらに自分も稼ぐことができる
ということを意味します。
さらに、

  • 海賊版サイトと違って、作者に無断で公開されることはない。
  • YouTubeなどの投稿サイトと違って、作者名簿を持つ出版社が能動的に作者を探し、直接意向を聞くのでクリーンである。
  • マンガ図書館Zの今までの投稿システムと違って、権利者以外でも広告収益の10%を得られる。

という特徴を持っています。




【出版社・投稿者・作者(権利者)のメリット】

★ 出版社のメリット

  1. 出版社は(電子化の予定が無い)過去の出版物を、ゼロ投資で電子化していくことができる。
  2. その際、もはや権利の無い絶版書からでも広告収益の10〜20%を得られる。
  3. 電子化された作品群の閲覧数や具体的な収益額などのデータを、いつでも閲覧できる。
  4. 自社でさえ保管していないような「古く貴重な書籍のデータ」が上がってきた場合、請求すればZIPファイルを無料でもらえる。

★ 投稿者のメリット

  1. 漫画や小説が書けなくても、既存の書籍を投稿するだけで広告収益の10%を得ることができる。(ただし一年間)
  2. 出版社が「電子化されていない過去の出版物」のリストを公開してくれるので、それに沿った投稿をすれば安全である。
  3. 無料の電子書籍プラットフォーム(マンガ図書館Z)を通して、自分の好きな作品をみんなに布教できる。
  4. 作者から「サイン入り感謝状」が届く場合がある。(一応頼んでみます)

★ 作者(権利者)のメリット

  1. 過去の作品や、単行本化されなかった読み切り作など、従来なら電子化が難しかった作品まで電子化できる可能性がある。
  2. 「公開OK」の回答だけ出せば、あとは特に何もしなくてよい。(=実作業が無い)
  3. マンガ図書館ZとZオフィシャル契約をすれば、電子透かし入りPDFが販売でき、51カ国語のフキダシ自動翻訳にも対応できる。


興味を持たれた方、「マンガ図書館Z」のTOPページへどうぞ。
または、実証実験専用のアップロード解説ページへ。
ちなみに現在までにアップロードされている作品は、TOPページの一番下に表示されています。*2




【Q&A】


Q:この「実証実験その1」が成功したら、他の出版社にも広げていく予定はあるのですか?
A:あります。具体的な数字が出てきたら、その結果を知りたい出版社は多いと思いますので、直接お誘いに行きたい考えです。


Q:同じ作品の別スキャン版が、いくつもアップロードされてきた場合はどうしますか?
A:現在は、同一タイトルの複数投稿が掲載可能になっています。作者の許諾が出て本文が公開される段階で、画質の良し悪しを考慮して1つに集約されます。そして最も採用率の高い版をアップロードした人が、広告収益10%を取る形を予定しています。


Q:一回アップロードすれば、広告収益の10%が一生もらえるのですか?
A:もらえる権利は一年間だけです。すなわち実証実験が終われば終了で、もし実験が続く場合も2年目からは「作者:出版社」=「80%:20%」に設定されます。


Q:10%の根拠は?
A:明確な根拠はありません。一応、商業漫画の作者印税率が10%であることから連想した数字ですが、そもそもその「作者印税率10%」にさえ明確な根拠は無く、出版界の慣習でしかないのです。今回の10%が適正かどうかは、実証実験を重ねて確かめていきます。


Q:リスト以外の作品が投稿されてきたらどうしますか?
A:一応作者に確認を取り、もし公開OKならば、リスト以外の作品であっても公開してしまいます。作者と連絡が取れなかった場合はもちろん非公開になりますが、表紙だけは掲載されるので、権利者がそれを見つけて連絡してきてくれることを期待しましょう。


Q:投稿者は匿名でもOKですか?
A:はい、匿名で投稿できます。広告収益の振込用に「銀行口座の登録」は行いますが、その情報は非公開であり、弊社サーバにさえ保管されません。



さて、次回は一ヶ月後の状況をレポートしてみたいと思います。
果たして投稿はあるのか?! 許諾は出ているのか?! 乞うご期待。

*1:ただしアップローダーは収益の受け取りを辞退することもでき、その場合は「作者:出版社:アップローダー」=「80%:20%:0%」の比率になります。

*2:アップロードされ次第、まめに「実業之日本社」や作者に連絡しています。無料公開までしばらくお待ちを。

【Jコミックテラス】メディアドゥグループ入りと、実証実験(1)について記者会見を実施

8月1日13時より、以下の件に関して記者会見を実施しました。

  1. 株式会社Jコミックテラスのメディアドゥグループ入りについて
  2. 実業之日本社と組んだ実証実験その1について


記者会見の場所は、竹橋のメディアドゥHD本社です。
冒頭、講談社森田浩章取締役(Jコミックテラス社外取締役:写真左端)から、Jコミックテラス社に対して期待のお言葉を頂きました。*1


実業之日本社と組んだ実証実験その1」については、次回ブログ記事で詳しく解説いたします。

報道記事の一部をご紹介しましょう。

*1:森田さんは「魔法先生ネギま!」時代の少年マガジン編集長で、今も大変お世話になっておりますm(_ _)m。

【Jコミックテラス】株主変更のお知らせ

ご存じマンガ図書館Zを運営する「株式会社Jコミックテラス」ですが、このたびヤフーグループを離れ、電子書籍取次で業界最大手の「(株)メディアドゥ・ホールディング」の傘下に入りました。また、新たに講談社からも出資を受け、協力態勢を検討してまいります。
メディアドゥホールディングの大株主は「小学館講談社集英社」など大手出版社揃いであり、今回の決定には私も作家として「非常にポジティブな期待感」と「ある種の安心感」を持っています。
赤松も取締役会長として、引き続きマンガ図書館Zの現場指揮をとりますので、よろしくお願いいたします。
弊社株主変更の詳細については、以下のURLで情報をご覧下さいませ。
https://j-comi.co.jp/#modal4


PS.実は、5月から言っていた「出版社と組んだ実証実験その1」が遅れているのは、この件があったからなんです。8月1日からいよいよスタートします!