日本漫画史を研究する上で、1980年代前半に始まった「ロリコン・ブーム」*1は絶対に外せないムーブメントと言えるでしょう。そして、当時の代表的な作家であった内山亜紀先生や吾妻ひでお先生の他に、谷口敬先生も忘れてはいけない存在です。
というわけで、’80〜82年に「漫画大快楽」や「リュウ」「アップルパイ」などに掲載された作品をまとめて、1982年に第一作品集として檸檬社から発行された、谷口敬先生の
『水の戯れ』(全1巻)を公開しました。
http://premium.j-comi.jp/book/comic/43381
「水の戯れ」は2003年に英知出版から復刻されていますが、今回は最初の檸檬社(すでに倒産)版を底本として使用しています。谷口先生は、萩尾望都先生の影響を受けているとのこと。後に巨乳モノも描かれている上に、歴史モノや犯罪モノも手がけられているところを見ると、「ソレだけしか受け付けない!」というわけでもないようです。巻末の、小松杏里氏の解説も見所。
*1:今の用語とは少々ニュアンスが異なっていますが・・・。