(5) 単行本にならなかったマンガを救え!(出口先生登場)
だんだん規模が大きくなってきて、一人では心細いので、友人の漫画家・出口竜正さんに、当企画を手伝ってもらうことになりました。
出口さんは、ジャンプの手塚賞と赤塚賞をどっちも取っている、希有な漫画家さんなんですよ。
- ドールガン(週刊少年チャンピオン、全9巻)
- 命〜紅の守護神〜(マガジンSPECIAL、全5巻)
- 女大太郎(マガジンSPECIAL、全6巻)
- アベノ橋魔法☆商店街(月刊マガジンZ、全2巻)
■赤松「よろしくお願いします。」
出口「よろしくです。ところで、この『絶版マンガ図書館』って企画を聞いて、一つ思い出したエピソードがあるんですよ。」
■赤松「何ですか?」
出口「2002年頃、週刊少年チャンピオンに『スナッチャー窃』*1っていう、とても面白い漫画が載ってまして。」
■赤松「ああ、知ってます。ネットではかなり有名だったような。」
出口「それが、残念ながら単行本にならなかったんですよ。」
■赤松「ええ〜っ!?」
出口「ならなかったんです。2巻分くらいはあったんですが。」
■赤松「う〜む・・・結構あるらしいですねぇ。最近はかなりの大手でも、”連載したけど単行本にならなかった”っていう話をかなり聞きますよ。単行本にならないと、漫画家はほぼ赤字確定ですよね。」
出口「ええ。そしたらですね、2年くらいしてから、ある別の出版社が”単行本にできるような漫画作品を探している”と聞きまして。それで、私と仲間が『スナッチャー窃』を推して、作者の先生を捜し出し、実際に単行本2巻分の出版までこぎ着けたんです。」
■赤松「おおう!!美談だなぁ。泣ける!」
出口「そういう、”単行本にならなかった漫画”も、この企画で集めたら面白いですよね。」
■赤松「・・・!!!」
出口「できれば、”読み切り作品”も。昔、1980年頃のジャンプで、『ぼくたちの戦線』*2っていう短期集中連載の漫画がありまして、これはページ数が足りなくて、単行本になっていないらしいんです。私、この作品かなり好きで印象に残っていたのですが、最近になって当時のジャンプをオークションで競り落とす事を思いつき、5週分、何とか全ページを揃えました。」
■赤松「確かに、私にも読みたい読み切り作品がいっぱいある! あと『マッハSOS』の7巻目以降だって、単行本化されてないみたいだし。」
出口「行けると思いますよ。ぶっちゃけ、出版して出すより印税額が高いかもしれませんからね、この企画。」
■赤松「まあ、もし仮に80万円だと、初版2万部の印税に等しいですからね。この出版不況の中で、今2万部と言ったら、ちょっとしたもんですよ。」
出口「ええ。それに、この方法でしか残せない漫画は、かなり存在すると思います。タイミング的にも、今が”日本の漫画を初期の物から保存する最後のチャンス”かもしれませんよ。」
■ 単行本未収録の作品
単行本(広告枠6つ)を200ページ弱と規定すると、
読み切り(または短期集中連載)は、ページ数で6種類に値段を分けるのがよろしいかと。
- 32ページまでの読み切り:広告1ページ(30万円くらい?)
- 64ページまでの読み切り:広告2ページ(40万円くらい?)
- 96ページまでの読み切り:広告3ページ(50万円くらい?)
- 128ページまでの読み切り:広告4ページ(60万円くらい?)
- 160ページまでの読み切り:広告5ページ(70万円くらい?)
- 192ページまでの読み切り:広告6ページ(80万円くらい?)
192ページになると、「短編集コミックス」が出るイメージですね。
*1:高木章次先生の漫画。週刊少年チャンピオン2002年51号〜2003年16号まで連載。