(株)Jコミックテラスの中の人

マンガ図書館Zに関する実験や報告をするブログです。

【応援FANディング】 ガンが再発した「くりた陸」先生と、生原稿の保存問題について

大変つらいお知らせをしなければなりません。
私が個人的に「Jコミで最も読み返している作品」の一つである『オレの子ですか?』や、週刊少女フレンドにて7巻もの連載となった『ゆめ色クッキング』の作者、くりた陸先生をご存じでしょうか。


実は、くりた陸先生は11年前に乳がんの宣告を受けておりまして、その時すでにステージ3で「5年生存率は50パーセント」とのことでした。幸いにも手術はうまく行き、しばらく転移も発見されず、何年も執筆活動を続けることができたのです。
しかし一昨年、とうとうガンの再発転移が発見されてしまいました。
医師によると、「ガンは急にアクセルを踏む場合もある」とのこと。
そこで、くりた先生から

今のうちに身辺整理をしたいのと、その整理の一環でこれからやってくるであろう治療の費用にあてられたら

ということで、JコミFANディングに立候補したいとの申し出を受けております。


こういった義援的なJコミFANディングは、以前に「海明寺裕・応援FANディング」があります。その時は500名もの温かい支援を受け、海明寺先生のリハビリ費用として大きな貢献をすることができました。
・・・そこで、今回は くりた陸・応援FANディング』と名付けて、くりた先生の支援をさせて頂きたいと思います。


まずは、くりた陸先生ご自身によるJコミFANディングに至る手記」をご覧下さい。


11年ほど前に乳がんの宣告を受けました。ステージは3、最初に行った総合病院では、もう治療はできないということで大きな病院を紹介してもらいました。
5年前だったら、もう死ぬしかないよ、と医者にいわれ泣いた日々。
抗がん剤で腫瘍を小さくしてから手術しましょう、ということで手術までの半年間は辛い物でした。ドラマや漫画であるような脱毛、むくみ、何十個もの口内炎。味覚異常。
5年生存率は50%以下といわれ、自分の原稿をほとんど捨てました。(死んだあとに残しておきたくないと思って)
手術をしてみると、リンパにも転移が見られていたとのこと(しかも10個も)。
娘が成人するまで命はないかも、そう思っていました。


けれど幸いにも毎回の検査で転移は見られず10年。もうこのまま完治なのかもと思っていた一昨年遠隔転移があると言われました。(骨とリンパ)
医師からは、もう治すのは無理なので少しでも延命を考えて行きましょうと言われました。
今の病院では緩和ケアや、終末医療は行っていないけれども、紹介は出来るという話を家族で聞いて泣きました。




けれど、あれから1年半、私のガンは緩やかに進行していて特に生活に支障はないです。
でも、いつかはその日が必ず訪れる訳で、その前にいろいろ処分しておきたいと思い、Jコミのファンディングで原稿を売ってもらえないかと赤松先生に頼みました。(長い前振りすみません)
しかし、原稿は漫画家にとって大事な物なのでそれを手放すということはそれ相応の理由が必要だと思うので、病気のことをあかしてやってみてはどうかと。


以前は捨てた原稿ですが、もし私のことを好きで原稿が欲しいというかたがいるなら、その方のところで過ごしてくれるのがいいのかなと思います。


こんな風に言っておきながら、案外長生きしてしまうかもしれないですが、そうなることを願って。


くりた陸


ご覧の通り、くりた先生は前回の手術の際、何と「主な作品の生原稿」を処分してしまったそうです。確かに、生原稿の束は(同業者ならご存じでしょうが)場所も取りますし、気持ち的な問題もあったようですが、私は「漫画文化財の後世への保存」の観点から悲しく思っております。
・・・幸い、『オレの子ですか?』の生原稿は残っておりました*1
今後、マンガ家にこういった事態が発生した場合、どうしたら良いかのテストケースとして、私は「オークション形式による、善意の読者へのまとめ販売」も同時に提案いたします。*2
くりた先生は、病院の先生に終末医療についての説明までされ、かなり落ち込んでいたのですが、治ることはないけれどもゆるゆるとした経過とのこと。
ぜひ今のうちに行動しておきたいと思っておりますので、皆様ご協力お願いいたします。



【「くりた陸・応援FANディング」について 】
★ 目的

  • くりた陸先生の過去作品を使って「JコミFANディング」を単発で行い、目標額160万円と応援メッセージを集め、先生にお渡しする。
  • 運良く残った『オレの子ですか?』の生原稿5巻分をオークション販売し、「一人」の善意の読者に保管して頂く。転売は3年間NGとする。
  • 先生お気に入りということで残されていたカラー原画も、同時にオークション販売する。

★ 期間

  • 3月29日(土)の正午よりスタート。
  • 1ヶ月間(4月29日まで)募集。

★ 今回だけの特別な機能

  • 1人で何口でも購入可能。*3
  • 目標額(100%)を超えても締め切らず、続けて受け付け可能。
  • 購入者のハンドルネームと「購入口数」が表示され、購入者が自分の支援額をアピールできる。
  • 1回購入した後、何度でも追加購入できる。また、コースを混ぜて細かく購入できる。
  • その都度、先生への応援メッセージに追記(編集)できる。


以下が、今回用意したコースです。

【応援FANディング商品1】 くりた陸PDFセット
★ 2000円コース(目標100名):1〜5までが貰える。
★ 7000円コース(目標200名):1〜11までが貰える。
−−−
(1) PDF版 『オレの子ですか?』(全5巻)
(2) PDF版 北極星に投げキッス』(全4巻)
(3) PDF版 『ChuしてBOMB!』(全2巻)
(4) PDF版 『ゆめ色クッキング』(全7巻)
(5) PDF版・くりた陸先生からの感謝メッセージ(直筆ではない)
−−−
(6) PDF版 「最初にガンになったときの闘病記」(100p)
(7) PDF版 『くじらの親子』(全10巻)(※Jコミ未収録)
(8) PDF版 『給食の時間』(全2巻)(※Jコミ未収録)
(9) PDF版 『銀座タンポポ保育園』(と続編と未収録3話)
(10)PDF版・ミニ「カラー画集」
(11)くりた陸先生からの直筆サイン入り葉書

全てのPDFはDRM無しで、電子透かし*4が刻印されています。よって、どんなPCや端末にでも自由にコピーして、好き勝手に読書することができます。
1人一口を購入していただいた場合、それだけで目標額160万円を達成します。(※例によってJコミの手数料は0%です。)
しかも今回は、いつもと違って「一人何口でも購入可能」となっています。つまりグラフが右端まで伸び切っても、パーセント表示(%)だけは100%を超えてどんどん上がっていくのです。システム上は、数百万円というカウントも可能です。
また、購入者のハンドルネームと口数が公開されるので、「ファンだから10口購入!」などとアピールできます。口先でだけでなく実際に現金が渡るので、そこは誇って良いでしょう。(もちろん、購入口数やハンドルネームを非公開にすることもできます。)
応援メッセージは、くりた陸先生に伝わります。そして購入者全員に、くりた陸先生からの感謝メッセージが届きます。


これに加えて、生原稿とカラー原稿(どちらも本物)のオークションも行います。原稿の散逸や、可燃ゴミ化だけは防ぎましょう。

【応援FANディング商品2】 くりた陸オークション
(A)カラー原画・1枚(実物)少女フレンド誌」表紙:★2万円からスタート
(B)カラー原画・1枚(実物)『ChuしてBOMB!』:★3万円からスタート
(C)カラー原画・1枚(実物)『くじらの親子』:★3万円からスタート
(D)カラー原画・2枚(実物)『ゆめ色クッキング』:★4万円からスタート
(E)カラー原画・3枚(実物)北極星に投げキッス』+テレカ:★6万円からスタート
(F)カラー原画・8枚(実物)「ティーンズハート誌」表紙:★7万円からスタート
−−−
(G)生原稿・5巻分(実物)『オレの子ですか?』:★20万円からスタート
−−−




★ 結果はコチラ。




■ スタート時間:3月29日(土)の正午より

  • 開催場所はJコミのTOPページです。
  • 商品の引渡しはいずれも4月1日以降となりますので、消費税は8%となります。
  • 申し込みには、あらかじめ「会員登録」(※無料)して、Jコミログインしておくことが必要です。
  • 従来までの「クレジットカード(VISA/MASTER)」支払いに加えて、「ビットキャッシュ」が利用できます。コンビニで払える電子マネーの一種です。クレジットカードをお持ちでない方はご利用下さい。


*1:本当に泣ける作品ですので、ぜひ読んでみて下さい!

*2:本当は、国に保管する機関なりが欲しいところですよね。特に「原稿の散逸(バラバラ)」だけは防ぎたいです。

*3:何口買っても、配信されるPDFは1セットだけです。同じファイルを大量にもらっても困るでしょうし(^^;)。

*4:購入者のメールアドレスなどの個人情報を薄く刻印しておき、Winnyに流すなどの行為を防ぐ仕組み。電子透かしを不正に除去すると、著作権の侵害とみなされる(第113条第3項)。