(株)Jコミックテラスの中の人

マンガ図書館Zに関する実験や報告をするブログです。

(15) 新型コミックビューワーV3について、ご意見を!

いよいよ3月初旬にお目見えします『新型コミックビューワーv3』
コードネームは「Arnoul(アルヌール)」です。Jコミの技術部長が命名しましたが、名前の由来が分かる人います?)

さて、アルヌールの機能は画期的であり、パッと見は地味に見えますが、マンガの読み方を根底からくつがえす「新アイデアがいくつも導入されております!(↓イメージ画像)



・・・まずは簡単に新機能をご紹介しましょう。


【1】見開き2ページ版(主にPC用)と、1ページ版(主にスマートホン用)を切り替え可能
まあ、これは普通ですね。(^^;)
従来までのコミックビューワーは、例え画面の小さいスマートホンでの使用であっても、必ず見開き2ページ表示でした。アルヌールでは、2ページ(見開き)版と1ページ版を、簡単に切り替えることが出来ます。(右図が1ページ版)


【2】一ページごとにコメントが付けられる

漫画を読んだ感想や解説を、一ページごとに書き込めるので、「今読んでいるページで、他の読者がどんな感想を持ったかを知りたい」というソーシャル・リーディング(読書体験の共有)を実現できます。
省スペース化するため、コメントは、ニコニコ動画のように画面上に重なって表示されます(デフォルトでは消えています)。また、全ページにURLが割り振られているので、ブログやtwitterからの引用も簡単。ブログパーツ化も可能です。


【3】漫画のセリフを、テキスト形式で入力できる(※要ユーザ登録)

コメント画面から切り替えて、画面上に「セリフ」のデータを入力できます。(実際に『放課後ウェディング』の全ページのセリフをテキスト打ちしてみたのですが、思ったより早く終わりましたよ。)
セリフは、まずはボランティア(※その漫画のファンが望ましい)が、そのまま日本語で書き写します。すると、英語や中国語など、各国語に自動翻訳されるのです!(Google翻訳APIを使わせていただいております)
しかし、漫画のセリフは自動翻訳が非常に難しく、例えば「モテちまってもいいか?」などの特殊なセリフは自動翻訳がほぼ不可能。そこで、自動翻訳を元にして、人間の手で翻訳を正確なものに打ち直していく仕様となっています。


【4】漫画のセリフを、音声読み上げできる

漫画のセリフの「音声読み上げ」は、セリフのデータさえ入力してあれば、比較的簡単に実現できます。(これもGoogle様の同機能を使用)
ただ、男と女が同じ声質だと萎えるので、せめて”男女の差”が分かるように、様々な装飾データを入力できるようにしたい考えです。
いずれ、目の不自由な方でも、マンガの「大まかなストーリー」が分かるようになることでしょう。また、声優さんが音声を吹き込める機能があったら面白いですよね。


【5】特定の単語を、全巻から検索できる
私の夢は、例えば手塚治虫の全マンガ作品で、「生」という言葉と 「死」と言う言葉のどちらが多く出てくるかを、瞬時に調べられるようにすることなんですよ!(^^) ただし、この検索機能はJコミに収録された全マンガをも対象に出来るので、サーバの負荷が比較的大きくなってしまいます。そのため、何らかの使用制限が付く可能性も。


【6】PC版はバナー広告、スマートフォンでは文字広告が、いつも下に出ている

従来までの「1ページ丸ごと広告」の他に、本文ページのセリフ内容や、みなさんの感想コメントに関連した広告バナーが、Google様から自動的に配信されます(上図)

スマートホンでは、スペースと通信速度の関係で、文字だけの広告となります。(右図)
この広告は、例えばアメリカ本国から読むとアメリカの広告が、中国から読むと中国の広告が自動的に配信されます。セリフと広告が同時に海外対応になることによって、広告のクリック率は格段に上がると考えられています。もちろん、広告料の純利益はその漫画の作者先生に支払われ、Jコミの取り分はゼロ%です。


【7】拡大(ルーペ)機能など
最近の漫画は、どれも絵が細かいので、一部を拡大して見る機能が付いています。
他にも、しおり機能ページスライダー10pジャンプ機能などが追加されました。



・・・・さて、コメント&セリフ入力機能だけでも、アルヌールのサンプル品でちょっとだけ味わってみませんか?

超機能限定版:新型コミックビューワー3「アルヌール」
http://www.ailove.net/v3/viewer/demo.htm

使えるのは、「コメント入力」「セリフ入力」「2ページ・1ページ切り替え」機能のみです。他には何も出来ません。(^^;)

コメント&セリフは、左右端の、このボタンです。(マウスカーソルを乗せればヒントが出ます)
何を書き込んでもデータは保存されませんので、自由に何でも書き込んでみて下さい。(笑)

アルヌールに関して、感想や、「もっと、こうしたら面白い」などのアイデアがありましたら、このブログのコメント欄に書いていって下さいね。よろしくお願いいたします。m(_ _)m

(※現在、開発が少し遅れており、最初のバージョンでは、拡大・自動翻訳・読み上げ・検索などが間に合わない可能性が出てきました。(><))

【また凄いお知らせ】 あの絶版漫画が今度は106万5千円に!


一般企業から有料で広告を出していただいた、β2テスト第2弾『交通事故鑑定人・環倫一郎』(全18巻)。→http://www.j-comi.jp
本日で公開から丸一ヶ月経ちましたので、作者である樹崎聖先生(原作・梶研吾先生) にお渡しできる、広告料金の金額(純利益)を発表いたします!

ななな、何とその額・・・・!ドドドドドド・・・・

なん・・・だと・・・?!



ひゃっ、106万5千円です!!

おお〜っ!!凄い凄い!!(^^)

この額は、3月末に樹崎聖先生&梶研吾先生に振り込まれます!
今回のように、作画と原作の先生が分かれている場合は、事前に話し合いで決定された比率で分けて、両者に振り込まれることになっております。(※事前に話し合いがなされなかった場合は、初版当時の比率にならう)

  • この金額は、β2テストのために出稿が決まった広告を対象にしたもので、今後全ての作品においてこの額が手に入るとは限りません。絶版マンガが殺到し、広告が足りなくなる事態があり得ます。(後述)
  • ちなみにこの金額は、すでに広告取引に必要な手数料が引かれた額ですので、そのまま樹崎聖先生&梶研吾先生の手取り額となります。もちろんJコミの取り分はゼロです。

繰り返しますけど、これ絶版漫画(市場価格0円)から生み出された金額ですからね。新作漫画じゃないですよ。


さあ、「自分も絶版マンガ(またはコミックス未収録の読み切り)を持ってるよ」という漫画家さんは、ぜひ「comic-support@j-comi.jp]」までご連絡下さい! 詳しい要項をメールで返送いたします。
正式公開時(3月末予定)までに、ネット市民がアップロードしてもOKな作家さんホワイトリストを作成していきたいと思います!



■ FAQ(よくある質問)
■ 確かに凄い金額ですけど、50ページの読み切り『放課後ウェディング』が52万5千円だったのに、18巻で106万5千円っていうのはおかしくないですか?
今回のβ2テストでは、作者先生にお渡しする金額は、巻数ではなく「広告の数」と「そのクリック数」によって決まります。広告のクリック数は、巻数には比例しないので、こういったバランスになってしまっています。
この辺の問題は、Google様と一緒に「新型コミックビューワー3」で解決していきたいと思います(3月一週目にリリース予定)。Googleの場合は、コンテンツとのマッチングを考慮し、広告が恒常的に掲載されます。また、コメントや翻訳の単語によって広告が変わり、海外から読むとその国の広告が自動的に配信されるなど、利点も多いです。これについては、明日詳しくブログに書きます!