(株)Jコミックテラスの中の人

マンガ図書館Zに関する実験や報告をするブログです。

今こそ世に問う!この『王ドロボウJING』の収録は是か非か!?

前回のブログ更新から10ヶ月が経ちました。
赤松健、これが究極の一手。・・・なぜ我々は「電子書籍版YouTube」を目指すか


今まで古書店海賊版でしか読めなかったような作品が、安全な形で無料で読むことができ、しかも権利者の方には広告収益の100%が還元される夢のシステム。
その核となるのが、マンガ図書館Zの「新型アップロード機能」です。(マンガ図書館Zはコチラ
その後、作者本人だけがアップロードできるように改良された「新型アップロード機能」によって、マンガ図書館Zの「投稿無料作品」コーナーは運営を継続しています。


「投稿無料作品」コーナーには、プロ・アマ問わず多くのクリエイター達が、ご自身で描いた色々な作品をアップロードしています。


私も海賊版データを流用して、デビュー作を投稿しています。
『A・Iが止まらない!(新装版)』(全8巻)
海賊版サイトから自分の作品をダウンロードしてきて、それをそのままマンガ図書館Zにアップロードし、広告を付けて無料公開してしまう・・・という「乗っ取り」型の新手法です。(笑)


今、売出し中の作家さんの作品もあります。
『女装転校生ヒロ』
青空文庫のようにパブリックドメイン著作権が切れた作品)になった作品もあり。
『黄金バット(永松健夫・明々社版)』


過去に単行本されなかった作品などは、特に貴重ですよね。
『機械婦のいた街』月刊アフタヌーン94年12月号掲載短編)
マンガ図書館Z」のオフィシャル作家さんでも、実は投稿が可能です。(R18)
『花酔い』


2016年初頭には、見本アップロードされた作品データに対して「権利者以外が公開許諾する」事態が何件か発生してしまい、本当の権利者からのクレームで私が平謝りしたこともありましたが、その後出版社から電子化が決まり、公式で手に入るようになった作品も存在します。作家さんには申し訳なかったですが、結果的に読者が正規に作品を読むことができるようになり、その点は嬉しかったですね。
また、作者さんのご厚意で、マンガ図書館Zでの公開が続行されることになった作品も100点以上ありました。(^^)



・・・ところで、この作品はどうでしょう。


『王ドロボウJING』
鬼才・熊倉裕一先生がコミックボンボンで描かれた名作です。
2002年にアニメ化され人気を博しました。


また、この作品。
『オレ通AtoZ』
恋緒みなと先生による、パソコン通信niftyとか)時代のラブコメ
恋緒先生は私(赤松)と同い年で、私同様パソコンに詳しく、美少女と美麗なカラーが売りです。


いずれも「投稿無料作品」コーナーにアップロードされています。
弊社の「絶版判定アルゴリズム」では、これらは「絶版である」という判定が出ました。確かに、どこからも電子化されていません。今ネットにあるのは海賊版だけです。
また、アップロードしたのは「規約に従った作者本人」と見られます。IPとメールアドレスも保存してあります。
しかし、メールで尋ねても返事が来ないため、広告収益はずっとプールされたままです。


そこで私は、元々の版元である大手出版社へ向かいました。
そして重役4人と面会し、「作者が現れたら、すぐ連絡してほしい」と頼んだのです。
それはすぐに了承されました。この計画の意義(と隠された利点)が認められたのだと思います。


・・・というのも、もし熊倉先生からお返事が来さえすれば、『王ドロボウJING』はもうマンガ図書館Zをすっ飛ばして、むしろ出版社から電子化した方が良いでしょう。この有名タイトルなら、もしかしたら紙での再出版も可能かもしれませんからね。最近はコンビニ漫画という方法もありますし。
今はマンガ図書館Z(と海賊版)でしか読めませんが、もしそうなったら本当に素晴らしいことだと思います。


さあ、今こそ私は世に問いたい。
この『王ドロボウJING』の掲載は是か非か!?

  • 広告収益は現状100%プールされています。*1
  • 「権利者だけがアップロードできる」という規約にチェックしてもらっています。
  • 元々の版元である大手出版社に行き、作者が現れたら連絡してもらう約束を取り付けました。(他にも何社か出版社を回りまして、いずれも約束を取り付けています)
  • 『王ドロボウJING』は、マンガ図書館Zから削除されれば、再び海賊版サイトでしか読めない作品に戻ります。*2


今回のアップロード者は、作者本人ではないのでしょうか。本人のアップロードを無断で削除するには、それなりの理由が必要です。「本人ではないという証明」が欲しいところです。その証明は、誰がしてくれるのでしょう。


・・・ぜひ、皆さんのご意見を伺いたいと思います。


「どんなに Win-Win であっても、完全にホワイトと決定していないのであれば、掲載するべきではない」というご意見が多ければ、私はこれを削除したいと思います。
そして、これを最後にこういったマンガ共有システムからは手を引きます。



【続報】
何と熊倉先生と恋緒先生に連絡が付き、本人確認もできたため、出版社から公式に電子化されることになりました。そこで予告通り、マンガ図書館Zからは削除させていただきます。めでたしめでたし。(^^)

*1:口座登録等の手続きがない場合は、規約に基づいて一定期間の留保となります。

*2:まあブックオフやオークションでも紙版が手に入りますが、それらは作者には1円も手に入りません。