(株)Jコミックテラスの中の人

マンガ図書館Zに関する実験や報告をするブログです。

【補足1】なぜ、成人向け作品が有料プレミアム会員のみのサービスになったか

今回、成人向け作品(R18)は「有料プレミアム会員のみのサービス」となりました。
R18は有料プレミアム会員専用ですので、広告は当然消えます。そして広告収益の代わりとして、作者にはプレミアム会員費から閲覧ポイントに応じて収益が支払われます。


有料になった理由としては、以下の2点が上げられます。


(1)エロ漫画向けのエロ広告は、圧倒的に数が足りない。広告料も足りない。
弊社がグーグルや大手メディアレップから貰ってくる「広告」には色々ありますが、どれも成人向け作品の隣に置くのは規約違反であり、やはり成人向け作品には専用の「成人向け広告」を載せる必要があるわけです。しかしグーグルなどの大手は性的な広告は扱っていないため、扱うことのできる数少ない代理店から貰ってくることになります。ところが、その数は圧倒的に数が足りず、広告料も全然低いです。
・・・正直申しますと、絶版マンガ図書館」時代には、私(赤松)が自費でR18用の金額を補填しておりました。基準は「一般作品と同じ閲覧数を稼げば、R18でも大体同じ広告収益額になる」イメージです。
これは、(誰にも迷惑はかけていませんが)不健全な状態ですよね。そこで、一般企業と合体するこの機会に、プレミアム会員費からちゃんと計算してお支払いすることにしたのです。
・・・ただ、広告の問題よりも大きいのは、次の件です。


(2)なるべく多くの成人向け作品を、無事に収録できるようにするため。
おや? なぜ有料にすると、多くの作品を無事に収録できるようになるのでしょうか?
例えば、新生「マンガ図書館Z」では「自動翻訳したエロ漫画」が世界51カ国語で海外から読めるようになっています。
ところが、弊社では、多様なR18作品を多数収録しており、これをいきなり世界展開として実現すると、インパクトが大きすぎて、

  • 国レベルでブロックされる可能性がある。(特にロシアや中国など)
  • 宗教によっては文化衝突に発展する。(日本漫画=害悪と誤解されてしまう)

という危険性があるようです。*1
しかし私としては、サイト側による「作品検閲」は控えたいので、

  • R18のみ有料化して、まずは一旦「国籍・性別・年齢にかかわらず誰でも好き勝手に読めるという状態」を避ける

ことにいたしました。
これならクレジットカードで強固かつ正確な年齢確認になりますし、わざわざ実費を出すわけですから「金を払って読もう」という意志を持った大人が自分の都合で読む、という状況を実現できます。(=買いたくない人、見たくない人の目に付くことが無い。)
もちろん一般的な年齢確認(YES/NO)もありますし、ログインも必須となっています。


ただ弊社にも色々基準はありまして、サイトのスタート時には何作か「一旦不掲載」にした作品が存在します。具体例を挙げますと、たまちゆき先生の「つるぺた天使」などはマンガ図書館Zのスタート時には不掲載でした。
しかし(たまちゆき先生の同意の下で)表紙のランドセルをCGで削除するなどして、現在は普通に掲載しております。こういった交渉や報告は、私(赤松)が作家目線で行っていますのでご安心下さい。

*1:この危険性については、大手出版社から忠告されて初めて気付きました。感謝です。